携帯を投げ、テレビを壊したモラ夫
刑事さんが家に来てから暫くの間大人しくしていたモラ夫。
でも、私の心の中にはモヤモヤとわだかまりが出来ていて・・・
今までは、いきなり怒り出して、グラスやリモコンを投げつけたり
テーブルをひっくり返したりした時、
「なんで?」
と、意味が分からずに泣きながら片付けていた。
が、
あれ以来
(またかよ・・・意味わからん。勘弁してよ~~もう。。。)
とため息交じりに片付けるようになった。
寝室も大暴れした時の痕跡、カーテンが引きちぎられたまま。
パーテーションも隅っこに追いやられ、直すこともなく
何事もなかったかのように1年ほどが過ぎた。
長女はそんな家が嫌なのかアパートを借りて一人暮らし。
長男は、一緒に居るのが苦痛なのか食事が終わると早々に、自分の部屋へ。
そして、子供達が実家へ出掛けた夜に事件は起きた。
何が原因なのか今でも解らないくらいの些細な事だったと思う。
いつものように、お酒を飲んでグダグダと始まった。
会社の副所長が気に入らないとか、俺の取って来た仕事が気に入らないとか
グチグチ言うモラ夫。
そのうち、子供達が実家に行ったのが気に入らないのか、子供達のことを
言い出した。
「長女はなんで一人でアパートなの?やっていけんの?」
「う~ん・・・」
(一人でやってますけど。)
「あんな若い奴らがやってる居酒屋だか知らんけど、儲かるんかい。」
「う~ん・・・順調に予約入ってるらしいよ。」
「なんでうちから通わないんだ。わざわざ金かけてアパートなんて。」
「う~ん、ここからだと仕事場が遠いから。それに冬はもっと大変だし。」
長女が家に居ないのが不服なのか?
あんたがイヤで出て行ったなんて言えないけど・・・
「長男、あの男よく実家行くよな。」
「ああ、ばあさんが来いって。」
「金だかエサでつってるのか。」
「・・・・知らん。」
ってかよくそういうこと言えるな。
ばあさん達にとっては孫だから呼ぶんでしょ。
「・・・って、あんたそう思わん?」
やべ、聞いてなかった・・・
「ん?うん・・・」
「まったく、あのハゲ!文句ばっかり言いやがって。」
あ、会社の話になってる・・・
「あー気分悪りぃ。」
と、いきなり怒り出し携帯を投げた。
携帯はテレビ台に向かって飛んで行く
が、
充電中の携帯。
充電コードが携帯の後を追って、大きく弧を描いてきれいに宙を舞う。
携帯がテレビ台に命中した。
バッテリーカバーが外れ、バッテリーが飛び出し散乱。
遅れて充電コードのアダプター部分がテレビの液晶画面に激突!
テレビには縦に黒い筋が何本も入った。
「あぁ~」
「俺は知らないよ。俺のせいじゃないし・・・」
って
「はぁ~~~?」
じゃあ、誰が投げたのよ。
あんたしかいないでしょ!
テレビの前で画面をよ~~く見る。
あ、だめだこりゃ。
その瞬間、もういいや。
もう、家を出よう。。。
家を出る決心!
あくまでもシラを切るモラ夫。
他でもないあんたが携帯を投げたから液晶がこんなに
なっちゃったんでしょ?
このテレビ、長女が買ったテレビだ。
モラ夫のじゃない。
それなのに・・・・壊しておいて
「俺じゃない。俺は知らない・・・」だと?
あんたの他に誰がこんなことするんだ!!!!
って言ってやりたい。
モラ夫はマズいと思ったのか、一人でブツブツ言いながら
2階の寝室へと消えて行った。
テレビの画面を摩りながら落ち込む・・・
写メを撮って長女に送る。
件名「テレビ・・・壊した・・・」
片付けもせずにテレビと対峙。
どうするの?これ。
モラ夫の「知らない・・・」という言葉を思いだしながら
なんで、キレて携帯投げたんだっけ?
それが思い出せない。
「はぁ~~~」
ため息が漏れたのと同時に、
「もう、家を出よう・・・居られない。こんな家。」
と、漠然とではなく、ハッキリと決意した。
長女と長男が帰って来て、画面を観て一言。
「私のテレビが・・・」
「あ~あ」
そして長女と長男に
「もうこの家、出るわ。」
と話した。
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