お弁当要らないからお金頂戴
ある朝、モラ夫のお弁当を作ってテーブルへ持って行くと
「あれ、オレ今日弁当いらんよ。」
「は?」
「今日本社で会議だし。」
「うん。」
「・・・・」
「で?」
「弁当なんていらんって。」
「はあ?早く言ってよ~。この間の会議の時は持って行ったから作ったじゃん、。」
要らないなら昨日のうちに要らないって言ってくれればいいのに・・・
とブツブツ言っていると
「それくらい分かるだろう。」
「え・・・・・?」
分かりません。
会議があるってことは聞いたけど。
私はあなたと一緒に会社に行っているわけではないので、仕事の予定など
言っていただかないとさっぱりわかりません。
「朝から本社だから、あんな弁当なんて持って行かんないわ。」
あんな、弁当・・・・?
「本社で会議の時に弁当持って行く人なんて居ないよ。みんなどっか食べに行くし。」
「ふっ~~ん」
「だからー」
と言って手を差し出すモラ夫。
「ん?だから?」
「お金頂戴。」
はあ~~?
弁当持って行けや、弁当!!
折角作ったのに・・・
残金をちょろまかすモラ夫
「あーそれと、道中でなんかあるといけないから余計に頂戴。」
「・・・・使わなかったら返してよね。」
「使わなかったら、ね。」
アテにならない・・・その返事。
まさか、何か買いたい物あるからお弁当要らないって言ってるんじゃ・・・
仕事から帰ってきたモラ夫。
「会議長くて、ほんのさっき事務所に戻ったばっかりだよ。」
「ふ~ん。そう。」
「疲れた~~~」
チロリとモラ夫を見る。
と、
気が付いたのか、バッグから財布を取り出しゴソゴソ。
「はい。」
「ん?だいぶ少なくない?」
案の定、半分程の残金しか返って来なかった。
「かなり豪華なお昼でも食べたんですか。」
「ほら、みんなで一緒に行くじゃん。だから俺だけ・・・ってのは出来なくて。」
「お昼から懐石料理でも!?」
「いや・・・あ、他にもコーヒーとかお茶とか・・・あ、タバコも買ったし。」
「・・・・」
「あ、そうそう。営業に行くときに必要な書類を専用に入れる袋っていうか
ホルダーっていうか・・・みんなそれ使ってて、これがあるといいって
言ってたから俺も買った。」
「へえ~どんなの?見せて。」
「事務所に置いてきちゃった。」
怪しい・・・
いつも何か買うと必ず見せて自慢するのに。
ちょろまかしたな・・・
怪しいとマジマジとモラ夫を見ていると
「あ、あんた俺を疑っているね。」
「べつに・・・」
「ほお~~、じゃいいよ。ほら、財布。小銭しか入ってないわ。」
と言って財布を投げてきた。
用意周到なモラ夫だからちょろまかしたお金はたぶん財布になんて入れないはず。
でも、一応中を見る。
ランチ 1080円のレシート。
あとは小銭。
チラッと疑いの目を向ける。
「なにっ!誤魔化してなんていねーわ!!」
「何も言ってないけど・・・」
「ムカツクなーいちいち。」
そんなに怒るってことは、やったな。
と、突然

「俺が稼いできたお金を何に使おうが文句言われる筋合いはない!!」
あちゃー、自分でバラしちゃった。
やっぱりちょろまかしてたんじゃん。

詰めが甘いな、モラ夫よ!
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